行政書士の試験内容は?試験科目・配点・合格基準・受験資格を公式情報を元に解説

行政書士の試験内容は? 行政書士
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行政書士試験を受ける前に知っておきたいのが、「試験科目は何か」「配点は何点か」「何点取れば合格か」という3つのポイントです。

行政書士試験は法令等46問・244点と基礎知識14問・56点の合計60問・300点満点。通常は法令等122点以上、基礎知識24点以上、全体180点以上の3条件をすべて満たす必要があります。

受験資格には年齢・学歴・国籍等の制限がなく、どなたでも受験できます。ただし、試験に合格しただけで行政書士として業務を行えるわけではなく、実際に業務を行うには行政書士名簿への登録が必要です。

受験資格と合格後の登録条件の違いは、行政書士試験の受験資格と登録要件で詳しく解説しています。

本記事では、行政書士試験研究センターの公式情報をもとに、試験科目、出題形式、配点、合格基準、受験資格、合格率を整理します。

行政書士試験の内容を30秒で確認

  • 科目:行政法・民法・憲法・商法・基礎法学などの法令等と、行政書士法等・情報通信・文章理解などの基礎知識
  • 出題形式:5肢択一式54問、多肢選択式3問、40字程度の記述式3問
  • 合格ライン:原則180点以上。ただし法令等122点、基礎知識24点の科目群別基準も必要
  • 学習の軸:配点の大きい行政法・民法を中心に、記述式と基礎知識も並行して対策

行政書士試験の概要

項目 内容
実施団体 一般財団法人 行政書士試験研究センター
受験資格 年齢・学歴・国籍等に関係なく、どなたでも受験可能
試験科目 法令等46題+基礎知識14題
出題形式 5肢択一式・多肢選択式・記述式
満点 300点
令和8年度試験日 2026年11月8日(日)13時〜16時
受験手数料 10,400円
令和8年度集合時刻 2026年11月8日(日)12時20分(試験開始は13時)
令和8年度合格発表 2027年1月27日(水)

令和8年度行政書士試験は2026年11月8日(日)13時〜16時に実施されます。公式案内では12時20分までに着席するよう指定されています。受験手数料は10,400円、合格発表は2027年1月27日(水)です。

令和8年度の試験案内・試験場一覧は行政書士試験研究センターから公表されています。受験申込みはインターネットが2026年8月24日、郵送が同年8月17日で締め切られており、受付は終了しています。

出典:一般財団法人 行政書士試験研究センター「令和8年度行政書士試験のご案内」

行政書士試験の試験科目・配点

行政書士試験は、大きく「行政書士の業務に関し必要な法令等」と「行政書士の業務に関し必要な基礎知識」の2区分に分かれます。

試験科目 出題形式 出題数 配点
法令等 5肢択一式 40問 160点
法令等 多肢選択式 3問 24点
法令等 記述式 3問 60点
法令等 合計 ― 46問 244点
基礎知識 5肢択一式 14問 56点
合計 ― 60問 300点

問題別の配点は、5肢択一式が1問4点、多肢選択式が1問8点、記述式が1問20点です。多肢選択式は空欄ア〜エの4つに分かれ、空欄1つにつき2点です。

出典:行政書士試験研究センター「令和7年度行政書士試験合否判定基準」(問題別配点)

参考:2025年度の科目別配点

科目 5肢択一式 多肢選択式 記述式 合計
行政法 19問・76点 2問・16点 1問・20点 112点
民法 9問・36点 なし 2問・40点 76点
憲法 5問・20点 1問・8点 なし 28点
商法・会社法 5問・20点 なし なし 20点
基礎法学 2問・8点 なし なし 8点
基礎知識 14問・56点 なし なし 56点
総計 54問・216点 3問・24点 3問・60点 300点

※上表は令和7年度(2025年度)の出題実績をもとにした科目別の内訳です。科目別の問題数・記述式の出題科目が翌年度も同じになることを保証するものではありません。正式な試験科目・出題形式は受験年度の公式案内で確認してください。

参考:行政書士試験研究センター「令和7年度試験問題」/TAC出版「令和7年度 科目別問題数・配点」

2025年度は行政法112点・民法76点で合計188点。試験全体300点の約62.7%を占めました。法律学習の優先順位を考えるうえで、行政法と民法を中心に置く理由が分かります。

法令等科目|基礎法学・憲法・行政法・民法・商法

法令等科目は46問・244点で、300点満点中の約81.3%を占めます。2025年度の科目別配点では行政法が112点、民法が76点でした。行政法・民法は択一式に加えて記述式の学習にもつながるため、早い段階から取り組みたい分野です。

出題範囲は、基礎法学・憲法・行政法・民法・商法です。

行政法については、行政法の一般的な法理論のほか、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法、地方自治法などを中心に出題すると公式に案内されています。

基礎知識科目|一般知識・行政書士法等・情報通信・個人情報保護・文章理解

基礎知識科目は14題・56点で、すべて5肢択一式です。

出題範囲は、次の4分野です。

  • 一般知識
  • 行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令
  • 情報通信・個人情報保護
  • 文章理解

令和6年度試験から、旧「一般知識等」に代わり「行政書士の業務に関し必要な基礎知識」が出題されています。14問中6問正解で24点となり、通常の基礎知識科目の基準点に届きます。ただし総得点180点以上も必要なため、6問取れれば合格が確定するわけではありません。

法令問題は受験年度の4月1日現在施行の法令から出題

法令に関する問題は、試験を実施する年度の4月1日現在施行されている法令に基づいて出題されます。

令和8年度試験なら、2026年4月1日現在施行されている法令が基準です。

古いテキストを使う場合は、法改正内容を補えているか必ず確認しましょう。

受験年度に対応した教材を比較したい方は、行政書士の独学におすすめのテキスト・参考書9選も参考にしてください。

出典:行政書士試験研究センター「令和8年度行政書士試験のご案内」(出題対象となる法令)

行政書士試験の出題形式

5肢択一式|54問・216点

5肢択一式は、5つの選択肢から正しいもの・妥当なものなどを1つ選ぶ形式です。

法令等から40問、基礎知識から14問の合計54問が出題され、1問4点、合計216点です。

解答はマーク式です。5肢択一式は全体の216点(72%)を占めるため、過去問を解く際は正解肢だけでなく、ほかの肢がなぜ誤りなのかまで確認しましょう。

多肢選択式|3問・24点

多肢選択式は、文章中の空欄ア〜エに当てはまる語句を、1〜20の選択肢から選ぶ形式です。

法令等科目から3問出題され、1問8点・合計24点です。各問題には4つの空欄があり、1つの空欄につき2点が配点されます。全ての空欄を埋められなくても部分的に得点できるので、分かる語句から落ち着いて確定させましょう。

記述式|3問・60点

記述式は、40字程度で答案を書く形式です。

法令等科目から3問出題され、1問20点・合計60点です。

公式の試験案内では、記述式が行政法・民法のどちらから何問出るかまでは定めていません。過去問では行政法・民法からの出題が続いていますが、受験年度の試験案内と過去問題を確認して対策しましょう。

また、記述式は本試験の詳細な採点基準が公開されていないため、択一式ほど自己採点しやすくありません。「設問で問われたことを確認→要件・効果などのキーワードを抽出→40字程度で記述」という手順を繰り返し、書いた答案を模範解答と照らし合わせて改善しましょう。

行政書士試験の合格基準|180点だけでは合格できない

行政書士試験には、総得点に加えて科目別の基準があります。

令和8年度試験の公式案内では、次の3つの要件をすべて満たした人を合格とするとされています。

基準 令和8年度公式案内 通常の配点なら
法令等科目 満点の50%以上 122点以上 / 244点
基礎知識科目 満点の40%以上 24点以上 / 56点
試験全体 満点の60%以上 180点以上 / 300点

つまり、原則として122点・24点・180点の3基準をすべて満たす必要があります。

ただし、令和8年度の公式案内には、試験問題の難易度を評価し、合格基準に補正的措置を加える場合があると記載されています。

そのため、令和8年度の最終的な合格基準点は、2027年1月27日の合格発表時に公表される内容を確認してください。

出典:行政書士試験研究センター「令和8年度行政書士試験のご案内」(合格基準)

例えば、総得点180点以上という条件を満たしていても、基礎知識科目が24点未満なら通常の基準では不合格となります。次の表は原則どおりの合格基準が適用された場合の仮想例です。

例 法令等(244点) 基礎知識(56点) 総得点 結果
A 160点 28点 188点 合格基準を満たす
B 164点 20点 184点 不合格(基礎知識が不足)
C 128点 48点 176点 不合格(総得点が不足)

合格を目指す際は180点ちょうどを狙うのではなく、法令等と基礎知識のそれぞれに余裕を持たせた得点計画を立てることが大切です。

行政書士試験の科目別対策ポイント

行政法|得点の柱にしたい科目

行政法は、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法、地方自治法などを含む重要科目です。

行政法は、行政行為の考え方と行政手続、処分に不服がある場合の救済、裁判で争う場合の違いを手続の流れで理解すると整理しやすくなります。2025年度は112点分が出題されており、択一式の反復と記述式への応用を一体で進めたい科目です。

民法|事例問題に慣れる

民法では、意思表示、代理、時効、物権、債権、契約、親族・相続など幅広い分野を学びます。

条文を覚えるだけでなく、登場人物と権利関係を図示して「誰が・誰に・何を・どの要件で請求できるのか」を説明できるようにしましょう。2025年度は記述式40点分を含め76点を占めており、問題文の事実から必要な法的効果を導く練習が重要です。

基礎法学・憲法・商法も取りこぼしを減らす

法令等科目には、基礎法学・憲法・商法も含まれます。

行政法・民法に比べて学習上の優先度を下げる受験生もいますが、完全に捨てるのではなく、過去問で頻出する基本論点を押さえることが重要です。

基礎知識|24点の基準を意識する

基礎知識科目は56点しかありませんが、通常の基準では24点以上が必要です。

配点が小さいからといって後回しにしすぎると、法令等で高得点を取っても足切りになる可能性があります。

行政書士法等、情報通信・個人情報保護、文章理解など、対策方針を立てやすい分野から確実に得点できるようにしましょう。

スキマ時間に問題演習を取り入れたい方は、行政書士の勉強におすすめのアプリ15選も参考になります。

試験内容から逆算する学習の進め方

  1. 学習初期:行政法・民法の基本講義やテキストで、条文・制度の意味を理解する
  2. 学習中期:5肢択一式・多肢選択式の過去問を反復し、弱点の多い科目を特定する
  3. 直前期まで並行:40字程度の記述式答案を書く練習と、基礎知識14問の足切り対策を継続する
  4. 仕上げ:模試などで180分の時間配分と、法令等・基礎知識の得点バランスを確認する

行政書士試験の合格率

直近で合格者が公表されている令和7年度(2025年度)の行政書士試験は、受験者50,163人・合格者7,292人・合格率14.54%でした。令和8年度試験は2026年11月8日実施予定のため、現時点では合格率はまだ確定していません。

最近6年間の合格率は次のとおりです。

年度 受験者数 合格者数 合格率
令和7年度 50,163人 7,292人 14.54%
令和6年度 47,785人 6,165人 12.90%
令和5年度 46,991人 6,571人 13.98%
令和4年度 47,850人 5,802人 12.13%
令和3年度 47,870人 5,353人 11.18%
令和2年度 41,681人 4,470人 10.72%

出典:行政書士試験研究センター「最近10年間における行政書士試験結果の推移」

行政書士試験は受験者との相対評価だけで合否を決める試験ではなく、原則として所定の合格基準を満たす必要があります。

合格率だけでなく、科目別基準、記述式60点、出題範囲の広さまで含めて難易度を判断しましょう。

独学と通信講座はどちらが向いている?

行政書士試験は独学でも合格を目指せます。基本テキストと過去問を自分で管理し、法令等・基礎知識・記述式の3領域を継続的に復習できる人は独学を選びやすいでしょう。

一方、法律初学者で行政法・民法の考え方を理解しづらい人、記述式答案を自分だけで確認するのが難しい人、学習計画を一人で管理しにくい人は、通信講座を利用する方法もあります。

各校の教材や記述式対策、費用を比較したい方は、行政書士の予備校・通信講座おすすめ比較をご覧ください。

独学で進めやすい人 通信講座を検討しやすい人
自分で学習計画を立てられる 何から学ぶべきか迷いやすい
テキスト・過去問で法律を理解できる 法律初学者で講義から理解したい
記述式答案を自分で改善できる 記述式の採点・添削に不安がある

資格スクエアなら過去問・記述式対策をオンラインで進められる

資格スクエアの2027年度「森Tの1年合格講座」では、森T(森広志講師)の講義に加えて、Web問題集「法令択一クエスト」を利用できます。法令等科目21年分・約3,000肢と、行政書士法・戸籍法・住民基本台帳法8年分の過去問を順次提供予定で、テーマ別・肢別に演習できます。

AI「記述式」添削は、平成27年度〜令和8年度の最大12年分・全36問に対応予定で、使用回数は無制限と案内されています。令和8年度の問題は2027年3月末までに追加予定です。

AI「記述式」添削の採点基準は資格スクエア独自のもので、本試験の評価基準そのものではありません。答案作成の練習や弱点確認の補助として活用しましょう。

2027年度1年合格講座は、テキストあり159,500円・テキストなし148,500円(税込)です。受講期間中の質問機能は最大100回、森TとのZoom相談会は2026年11月〜2027年11月の計13回を予定しています。まずは無料講義を視聴し、講師の説明が自分に合うか、学習機能を継続して使えそうか確認するとよいでしょう。

出典:資格スクエア「2027年度 森Tの1年合格講座」(教材・Web機能・料金)

行政書士試験に関するよくある質問

行政書士試験に受験資格はありますか?

年齢・学歴・国籍等の制限はありません。

行政書士試験研究センターは、「年齢、学歴、国籍等に関係なく、どなたでも受験できます」と案内しています。

行政書士試験は何問・何点満点ですか?

60問・300点満点です。

法令等46問・244点、基礎知識14問・56点で構成されています。

行政書士試験の合格基準は何点ですか?

令和8年度の公式案内では、法令等50%以上、基礎知識40%以上、全体60%以上の3要件をすべて満たす必要があります。

通常の配点なら法令等122点以上・基礎知識24点以上・総得点180点以上に相当します。ただし、試験問題の難易度によって補正的措置が加えられる場合があります。

記述式は何問出ますか?

3問・合計60点です。

1問20点で、40字程度の答案を記述します。

基礎知識とは何ですか?

一般知識、行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令、情報通信・個人情報保護、文章理解から出題される科目です。

科目免除はありますか?

行政書士試験の公式案内には科目ごとの免除制度は設けられていません。法学部卒業者や他資格の保有者でも、受験する場合は所定の試験科目に解答する必要があります。

行政書士となる資格には試験合格以外のルートもありますが、これは試験の科目免除とは別です。

行政書士試験は独学でも合格できますか?

独学で合格を目指すことは可能です。

ただし、行政法・民法、基礎知識、記述式をバランスよく対策し、科目別基準まで自分で管理する必要があります。

行政書士試験内容まとめ

行政書士試験は、基礎法学・憲法・行政法・民法・商法を扱う法令等46題と、基礎知識14題の合計60題・300点満点で実施されます。

出題形式は5肢択一式・多肢選択式・記述式です。

合格には総得点だけでなく、法令等科目・基礎知識科目それぞれの基準も満たす必要があります。

科目別では行政法・民法を学習の中心に据えつつ、記述式60点と基礎知識24点の足切りに備えることが合格戦略の基本です。特に2025年度の出題実績では行政法・民法の合計配点は188点を占めました。過去問を使って自分の弱点を確認し、各基準点を安定して超える学習を進めましょう。

この記事について

本記事は、一般財団法人行政書士試験研究センターが公表する令和8年度試験案内、合否判定基準、試験結果などの公式情報をもとに、行政書士試験の科目・配点・出題形式・合格基準・受験資格を整理しています。年度によって日程や細かな試験情報が変わるため、受験時には行政書士試験研究センターの最新情報をご確認ください。

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