行政書士とはどんな仕事内容?資格取得のメリットや試験概要・難易度も解説

行政書士とは? 行政書士
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「行政書士という資格をよく耳にするけれど、具体的にどんな仕事をしているの?」

「司法書士や社労士とは何が違う?自分に向いている資格なのかな?」

行政書士とは、官公署に提出する許認可申請書類や、契約書などを作成し、申請手続を支援する法律系の国家資格者です。例えば、建設業の許可取得、飲食店の開業手続、在留資格に関する書類の準備、遺産分割協議書の作成などを扱います。

行政書士試験は年齢・学歴・国籍等の受験制限がなく、合格後は登録を経て独立開業も目指せます。ただし、試験合格と行政書士としての登録は別の手続です。登録せずに行政書士業務を行うことはできず、資格取得だけで仕事や収入が保証されるわけでもありません。

この記事では、行政書士の具体的な仕事内容、できる業務とできない業務、司法書士・社労士などとの違い、試験制度、登録・開業費用までを一通り解説します。「どんな仕事ができる資格なのか」「取得後にどう働けるのか」を判断できる内容です。

行政書士とはまとめ

  • 主な仕事:建設業許可などの申請書類作成・提出代理、契約書・遺産分割協議書などの書類作成
  • 他士業との違い:登記申請は司法書士、税務代理は税理士、社会保険手続は社労士など、扱える業務に境界がある
  • 試験と登録:2025年度合格率14.54%。受験資格に年齢・学歴制限はないが、業務には行政書士名簿への登録・行政書士会への入会が必要
  1. 行政書士とはそもそもどういった仕事?
  2. 行政書士の仕事内容・主な業務
    1. 官公署に提出する書類の作成
    2. 官公署への提出手続を代理する
    3. 権利義務・事実証明に関する書類の作成・相談
  3. 【分野別】行政書士の主な業務内容
    1. ビジネス関連の許認可
    2. 土地・建物に関する行政手続
    3. 外国人関連・国際業務
    4. 契約・相続などの書類作成
    5. 法人・自動車関連の手続
    6. その他の分野
  4. 行政書士と他資格の違い
    1. 司法書士との違い
    2. 社労士との違い
    3. 宅建との違い
    4. 税理士との違い
  5. 行政書士がおすすめな人
    1. 法律知識や行政手続の専門性を身につけたい人
    2. 独立開業という働き方を検討したい人
    3. 依頼者の課題を整理する仕事に興味がある人
  6. 行政書士としての働き方
    1. 行政書士・行政書士法人で勤務する
    2. 独立開業する
    3. 本業と両立して行政書士業務を行う
  7. 行政書士を目指すメリット5選
    1. 法律・行政手続の知識を身につけられる
    2. 他資格の学習につながる分野がある
    3. 受験資格の制限がない
    4. 独立開業という選択肢がある
    5. 生活や仕事で法律上の論点に気づきやすくなる
  8. 行政書士試験の概要
    1. 試験日程・実施場所
    2. 試験科目・出題範囲
    3. 出題形式・配点
    4. 合格基準
    5. 受験資格・受験手数料
    6. 合格率・難易度
  9. 行政書士として働くときに気を付けるポイント
    1. 試験合格だけでは行政書士業務を行えない
    2. 独立後は実務習得・集客も必要
    3. 資格取得後も知識を更新する必要がある
  10. 行政書士の新規登録申請の流れ
    1. 必要書類を準備する
    2. 事務所に関する要件を確認する
    3. 登録・入会費用を確認する
    4. 都道府県行政書士会を通じて登録申請する
    5. 登録完了までの期間は所属会によって異なる
  11. 行政書士を目指すなら資格スクエアも選択肢
    1. オンラインで講義・問題演習を進められる
    2. 講師歴20年以上の森Tが講義を担当
    3. AI「記述式」添削で答案練習ができる
    4. 資格スクエアの行政書士講座の料金
  12. 行政書士に関するQ&A
    1. 行政書士の年収は?
    2. 行政書士は食いっぱぐれない資格?
    3. 社会人が働きながら合格を目指せる?
    4. 行政書士の将来性はある?
    5. 行政書士試験は独学でも目指せる?
  13. 行政書士とは?まとめ
  14. この記事について
  15. 資格スクエアMEDIAについて

行政書士とはそもそもどういった仕事?

行政書士は、行政書士法に基づき、他人の依頼を受けて報酬を得ながら、官公署に提出する書類や、権利義務・事実証明に関する書類の作成などを行う国家資格者です。

日本行政書士会連合会では、官公署に提出する書類の作成、その提出手続の代理、書類作成に関する相談のほか、権利義務・事実証明に関する書類の作成などを行政書士の業務として案内しています。

ただし、他の法律で業務が制限されているものは行政書士が行うことはできません。紛争性のある法律相談や相手方との代理交渉、登記申請、税務代理などは、それぞれ弁護士・司法書士・税理士など他士業の業務領域になる場合があります。

2026年1月1日施行の改正行政書士法では、行政書士の使命・職責の明確化、デジタル社会への対応に関する努力義務、特定行政書士の行政不服申立て手続の代理業務の範囲拡大、無資格者による報酬を伴う書類作成の業務制限規定の趣旨の明確化などが行われました。これらは行政書士が登記や税務代理など他士業の独占業務まで行えるようになったという意味ではありません。

出典:日本行政書士会連合会「行政書士の業務」/「行政書士法の一部を改正する法律」の施行について

行政書士の仕事内容・主な業務

行政書士ができることを具体例で見ると、主に「書類の作成」「官公署への提出手続の代理」「書類作成に関する相談」の3つです。ただし、相談・代理のすべてを無制限に扱えるわけではありません。

依頼の例 行政書士が対応できる主な範囲 注意する境界
建設業許可・飲食店営業許可 官公署への許認可申請書類作成、提出手続の代理 行政機関の許認可要件を満たすか案件ごとに確認
会社設立 定款・議事録などの書類作成や許認可支援 商業登記申請は司法書士等の領域
相続・契約 遺産分割協議書・契約書などの書類作成とその相談 紛争の代理交渉・訴訟は弁護士等の領域
外国人の在留手続 在留資格関連の申請書類作成。届出済みの申請取次行政書士は一定の取次ぎが可能 申請取次には所定の手続・要件がある
税金・社会保険・登記 関連資料の整理など、他法令に抵触しない範囲の支援 税務代理は税理士、社会保険の独占手続は社労士、登記は司法書士等

官公署に提出する書類の作成

行政書士の代表的な仕事が、各省庁、都道府県庁、市区町村、警察署などの官公署へ提出する許認可等の書類作成です。

たとえば建設業許可、飲食店営業許可、古物商許可、無人航空機(ドローン)の飛行許可・承認申請など、扱う分野は多岐にわたります。日本行政書士会連合会は、官公署へ提出する書類について「1万種類を超えるとも言われる」と案内しています。

官公署への提出手続を代理する

行政書士は、作成した書類を官公署へ提出する手続について代理することもできます。

分野によっては電子申請に対応しており、依頼者に代わってオンライン上で手続きを進めるケースもあります。

ただし、行政書士が代理できる範囲や申請方法は制度ごとに異なります。対象となる許認可制度のルールを確認して対応する必要があります。

権利義務・事実証明に関する書類の作成・相談

行政書士は、契約書、遺産分割協議書、内容証明、各種議事録など、権利義務・事実証明に関する書類の作成や、その作成に関する相談も行います。

依頼者の事情や希望を確認しながら、合意内容や事実関係を文書として整理します。

ただし、すでに紛争となっている案件について法律判断や相手方との代理交渉を行うことは、原則として弁護士の業務領域です。

【分野別】行政書士の主な業務内容

行政書士が専門分野として選ぶことの多い仕事を、依頼者と主な支援内容で整理すると以下のとおりです。実際に受任できる範囲は、個別の法令や他士業の独占業務の制限によって異なります。

ビジネス関連の許認可

企業や個人事業主が事業を始めたり継続したりする際に必要な許認可手続を支援します。

代表例として、建設業許可、飲食店営業許可、宅建業免許、古物商許可、産業廃棄物収集運搬業許可などがあります。

許認可ごとに要件や必要書類が異なるため、行政書士には制度理解だけでなく、依頼者の事業内容を正確に確認する力も求められます。

土地・建物に関する行政手続

土地や建物に関する行政手続も行政書士が扱う分野の一つです。

農地を住宅地や駐車場などに転用する際の農地転用手続や、開発行為に関する許可申請などが代表例です。

ただし、不動産登記は司法書士、測量・表示登記は土地家屋調査士など、他士業の専門領域になる手続もあります。

外国人関連・国際業務

外国人の在留資格に関する申請書類の作成や、帰化申請に必要な書類作成の支援なども行政書士が扱う分野です。

在留資格の手続では、所定の研修等を経て地方出入国在留管理局長等に届出を行った「申請取次行政書士」が、一定の申請について申請書・資料等の提出や書類の提示を取り次ぐことができます。たとえば在留期間更新や在留資格変更に関わる手続です。

「申請取次行政書士」は別の国家資格ではなく、所定の研修等を経て届出を行った行政書士です。本人出頭の要否や行政書士が対応できる範囲は手続ごとに確認する必要があります。

契約・相続などの書類作成

各種契約書、遺産分割協議書、遺言書作成の支援、離婚協議書など、当事者の意思や合意内容を書面化する業務があります。

将来の認識違いを防ぎやすい形で内容を整理することが行政書士の役割です。

紛争となっている事案の法律相談や相手方との交渉は、行政書士ではなく弁護士へ相談すべき場合があります。

法人・自動車関連の手続

会社設立時の定款作成や各種議事録の作成、自動車登録・車庫証明なども行政書士が扱う代表的な分野です。

株式会社設立では行政書士が定款作成や電子定款への対応を支援することがありますが、会社・法人の登記申請そのものは司法書士等の業務領域です。

行政書士だけで会社設立に必要なすべての手続を完結できるわけではない点に注意しましょう。

その他の分野

行政書士の業務分野には、ほかにも次のようなものがあります。

  • 成年後見制度に関する支援
  • 著作権登録など行政機関への知的財産関連手続の一部
  • 他士業の独占業務に抵触しない範囲での補助金申請支援

「行政書士なら何でも代行できる」わけではありません。弁護士、司法書士、税理士、社会保険労務士など他士業の独占業務に該当するものは扱えないため、業務範囲を正しく理解することが重要です。

行政書士と他資格の違い

資格名が似ていても、行政書士・司法書士・社労士などでは独占業務や働く場面が違います。試験の難しさだけでなく、将来扱いたい仕事から選ぶのが基本です。

資格 主な専門領域 仕事を選ぶ目安
行政書士 許認可・官公署への申請、契約等の書類作成 会社・個人の行政手続を支援したい
司法書士 不動産登記・会社登記など 登記・商業登記を専門にしたい
社会保険労務士(社労士) 社会保険・労働保険手続、人事労務 会社の労務・社会保険を支援したい
宅地建物取引士(宅建士) 不動産取引の重要事項説明など 不動産売買・賃貸取引に携わりたい
税理士 税務代理・税務書類作成・税務相談 税務・会計を専門にしたい

司法書士との違い

行政書士が許認可・行政手続を幅広く扱うのに対し、司法書士は不動産登記・商業登記などを主要業務とする専門職です。

令和7年度司法書士試験は、受験者14,418人に対して合格者751人でした。

登記を専門に扱いたい場合は司法書士、許認可・行政手続を中心に扱いたい場合は行政書士というように、取得後に携わりたい仕事から選ぶとよいでしょう。

出典:法務省「令和7年度司法書士試験の最終結果について」

社労士との違い

社労士は、労働・社会保険手続、人事労務、年金などを専門とする資格です。

第58回(令和8年度・2026年度)社会保険労務士試験は、受験者42,510人、合格者3,961人で、合格率は9.3%でした。行政書士とは試験内容も業務分野も大きく異なります。

出典:厚生労働省「第58回社会保険労務士試験の合格者発表」

人事・労務を専門にしたい場合は社労士、許認可・行政手続を専門にしたい場合は行政書士という違いがあります。

試験の合格率や勉強時間、受験資格の違いも知りたい方は、行政書士と社労士の難易度比較をご覧ください。

宅建との違い

宅地建物取引士(宅建士)は、不動産取引における重要事項説明などを行う資格です。

令和7年度の合格率は宅建18.7%、行政書士14.54%でした。ただし、試験範囲や受験者層が異なるため、合格率だけで難易度を単純比較することはできません。

不動産取引の実務に関わりたい場合は宅建、許認可・行政手続を中心に扱いたい場合は行政書士というように、仕事内容から判断しましょう。

税理士との違い

税理士は、税務代理、税務書類の作成、税務相談などを専門とする資格です。

税理士試験は科目合格制で、行政書士試験とは試験制度が大きく異なるため、単年度の合格率だけで難易度を直接比較するのは適切ではありません。

税務を専門にしたい場合は税理士、許認可・行政手続を中心に扱いたい場合は行政書士というように、業務領域の違いを確認しましょう。

行政書士がおすすめな人

法律知識や行政手続の専門性を身につけたい人

行政書士試験では、行政法・民法を中心に幅広い法律を学びます。

資格だけで就職・転職が大きく有利になるとは限りませんが、法務、総務、不動産、建設、許認可関連の実務経験と組み合わせることで、法律知識をアピールする材料になる可能性があります。

独立開業という働き方を検討したい人

行政書士となる資格を得た後、日本行政書士会連合会の行政書士名簿へ登録し、所属する都道府県行政書士会へ入会することで、独立開業を目指せます。

ただし、事務所の準備、登録費用、実務習得、集客なども必要です。

資格取得後にどの分野を扱い、どの顧客へサービスを提供するかまで考えられる人に向いています。

依頼者の課題を整理する仕事に興味がある人

行政書士は、依頼者から事情を聞き取り、必要な手続や書類を整理する仕事です。

単に書類を作るだけでなく、複雑な制度を分かりやすく説明したり、必要書類を一緒に整理したりする力も求められます。

自分の知識を使って個人や企業の行政手続きを支えたい人に向いています。

行政書士としての働き方

行政書士の資格の使い方は一つではありません。会社員として法律知識を活かすことと、登録を受けて行政書士の専門業務を行うことも区別して考えましょう。

働き方 特徴 取得前に確認したいこと
行政書士事務所・行政書士法人で勤務 既存事務所の顧客・業務の下で実務を経験する 求人の有無、担当する許認可分野、給与と勤務条件
独立開業 得意分野や顧客層を自分で選べる 登録・事務所費用、実務研修、集客経路、運転資金
本業と両立 一定の条件の下、副業として事務所を運営する道もある 勤務先の副業規定、平日対応、事務所要件、利益相反

行政書士・行政書士法人で勤務する

行政書士または行政書士法人の使用人として登録し、実務経験を積む働き方があります。また、登録前に補助者として事務所業務に携わるケースもあります。

扱う業務は事務所によって異なりますが、建設業許可、外国人関連、相続など、特定分野の実務を学べる可能性があります。

求人状況や給与、担当業務は事務所ごとに異なるため、資格を取得すれば必ず勤務先が見つかるわけではありません。

独立開業する

行政書士名簿への登録と都道府県行政書士会への入会を行い、自分の事務所を設けて業務を行う働き方です。

独立すれば専門分野や営業方法を自分で決められますが、登録・事務所・備品などの準備に加え、実務習得や集客も必要になります。

「資格を取れば自由に働ける・高収入を得られる」とは限らないため、開業前に事業計画を立てましょう。

資格取得後の収入や開業のリスクが気になる方は、行政書士はやめとけと言われる理由も参考にしてください。

本業と両立して行政書士業務を行う

勤務先の副業規定などに問題がなければ、本業を続けながら行政書士として活動することを検討する人もいます。

ただし、報酬を得て行政書士業務を行うには、原則として行政書士名簿への登録や事務所の確保などが必要です。

平日の行政機関対応や顧客対応が必要になる業務もあるため、登録費用、事務所、本業との時間調整まで含めて実行可能かを確認しましょう。

行政書士を目指すメリット5選

法律・行政手続の知識を身につけられる

行政書士試験では、行政法、民法、憲法、商法、基礎法学などを学びます。

資格取得だけで就職が決まるわけではありませんが、行政手続や法律に関する基礎知識を学んだことを示す材料になります。

他資格の学習につながる分野がある

行政書士試験で学ぶ民法などは、宅建や司法書士など他の法律系資格でも扱われます。

また、行政書士試験の合格は、社労士試験の受験資格となる国家試験ルートの一つです。

ただし、複数資格を取得すれば自動的に高収入になるわけではありません。資格ごとの業務範囲を理解し、どの顧客へ何を提供するかを考える必要があります。

受験資格の制限がない

行政書士試験は、年齢・学歴・国籍等に関係なく受験できます。

法律系資格を初めて目指す人や、社会人になってから新しい資格に挑戦したい人でも、受験資格の面ではスタートしやすい試験です。

ただし、受験資格がないことと試験が簡単であることは別です。

独立開業という選択肢がある

行政書士となる資格を得て登録手続きを行えば、自分の事務所を開業する選択肢があります。

収入は専門分野、受注件数、報酬、経費、集客力などによって変わりますが、自分で扱う分野や顧客層を決められる点は特徴です。

生活や仕事で法律上の論点に気づきやすくなる

行政書士試験の学習を通じて、契約や行政手続、民法などに関する基礎知識を身につけられます。

仕事や生活の中で「どのような法律上の論点がありそうか」を考える助けになるでしょう。

ただし、資格取得によってあらゆる法律問題を自分で解決できるようになるわけではありません。

行政書士試験の概要

行政書士試験は原則年1回実施され、法令等の択一・記述式と基礎知識が出題されます。はじめに制度全体を一覧で押さえましょう。

項目 2026年度(令和8年度)の内容
受験資格 年齢・学歴・国籍等の制限なし
試験日 2026年11月8日(日)13時〜16時
出題・配点 60問・300点満点(法令等244点/基礎知識56点)
合格基準 法令等122点以上・基礎知識24点以上・総得点180点以上(補正の場合あり)
受験手数料 10,400円
直近の確定合格率 2025年度14.54%(50,163人受験、7,292人合格)

試験日程・実施場所

令和8年度行政書士試験は、2026年11月8日(日)13時〜16時に実施されます。

試験場は全国に設けられます。具体的な試験地・会場、申込期間などは行政書士試験研究センターの試験案内で確認してください。

出典:一般財団法人 行政書士試験研究センター「令和8年度行政書士試験のご案内」

試験科目・出題範囲

試験科目は、「行政書士の業務に関し必要な法令等」と「行政書士の業務に関し必要な基礎知識」の2区分です。

法令等は、憲法、行政法、民法、商法、基礎法学から46題。基礎知識は、一般知識、行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令、情報通信・個人情報保護、文章理解から14題出題されます。

出題形式・配点

試験時間は3時間で、合計60問・300点満点です。

法令等は5肢択一式・多肢選択式・記述式の計46問、基礎知識は5肢択一式14問です。記述式は40字程度で答える形式で、合計3問・60点が配点されています。

記述式は3問・60点分あるため、択一式だけでなく答案を書く練習も必要です。

合格基準

行政書士試験は、総得点だけでなく科目別の基準点も満たす必要があります。

令和8年度(2026年度)の試験案内では、原則として法令等科目で122点以上、基礎知識科目で24点以上、試験全体で180点以上という3つの基準をすべて満たす必要があります。試験問題の難易度に応じて、補正的措置が行われる場合もあります。

科目別の出題数や配点、記述式の合格対策については、行政書士試験の科目・配点・合格基準で詳しく解説しています。

出典:行政書士試験研究センター「令和8年度行政書士試験のご案内」

受験資格・受験手数料

受験資格は、年齢・学歴・国籍等に関係なく、どなたでも受験できます。

令和8年度の受験手数料は10,400円です。申込みはインターネット(2026年8月24日まで)または郵送(同年8月17日消印有効)で受け付けられ、令和8年度の受付は終了しています。

受験に年齢制限がない理由や、試験合格後に行政書士として登録するための条件は、行政書士の受験資格と登録要件で確認できます。

合格率・難易度

直近で結果が公表されている令和7年度(2025年度)の行政書士試験は、受験者50,163人、合格者7,292人、合格率14.54%でした。

出典:行政書士試験研究センター「令和7年度行政書士試験実施結果の概要」

十分な準備なしで合格できる試験ではなく、行政法・民法、記述式、基礎知識科目を計画的に対策する必要があります。

行政書士として働くときに気を付けるポイント

試験合格だけでは行政書士業務を行えない

行政書士試験に合格しただけでは、行政書士として報酬を得て業務を行うことはできません。

行政書士となる資格を有する人が行政書士として業務を行うには、日本行政書士会連合会の行政書士名簿への登録を受け、所属する都道府県行政書士会へ入会する必要があります。

独立後は実務習得・集客も必要

独立開業した場合、登録しただけで依頼が自動的に入るわけではありません。

専門分野を選び、実務知識を身につけ、Webサイト、紹介、地域ネットワーク、他士業との連携など、自分に合った集客方法を作る必要があります。

資格取得後も知識を更新する必要がある

行政書士実務では、法改正や制度変更、行政機関の運用変更などに対応する必要があります。

試験合格時の知識だけですべての案件に対応できるわけではないため、扱う専門分野を中心に継続的に学習することが重要です。

行政書士の新規登録申請の流れ

試験合格→登録書類・事務所の準備→都道府県行政書士会への申請→行政書士名簿への登録・入会→業務開始という流れです。行政書士試験の合格証書だけで有償の行政書士業務を始められるわけではありません。

費用の種類 目安・考え方 確認先
登録手数料 25,000円(日本行政書士会連合会の新規登録手数料) 日本行政書士会連合会
登録免許税 30,000円(登録申請時に必要) 所属予定の都道府県行政書士会の登録案内
入会金・会費 都道府県行政書士会ごとに異なる 所属予定の都道府県行政書士会
その他 事務所、備品、実務研修、集客などの準備費用 開業方法・事務所の状況に応じて見積もり

必要書類を準備する

日本行政書士会連合会が案内する新規登録の必要書類には、行政書士登録申請書、履歴書、誓約書、本籍地記載の住民票の写し、身分証明書、顔写真などがあります。

住民票や身分証明書、顔写真などには「提出日前3か月以内」という条件があります。

このほか、各都道府県行政書士会が定める書類が必要になるため、所属予定会の最新案内を確認してください。

出典:日本行政書士会連合会「新規登録の手続」

事務所に関する要件を確認する

新規登録では、事務所の所在等を確認するための書類が必要です。

自宅や賃貸物件を事務所にする場合の確認事項は、所属予定の都道府県行政書士会の登録案内を確認しましょう。

全国一律に「必ず独立した一室が必要」「必ずオーナーの使用承諾書が必要」とは限らないため、物件契約前に所属予定会へ確認するのが安全です。

登録・入会費用を確認する

日本行政書士会連合会の新規登録手数料は25,000円です。

これとは別に登録免許税30,000円や、所属する都道府県行政書士会の入会金・会費などが必要になります。登録・入会費用は受験料10,400円とは別の支出です。

入会金・会費は都道府県行政書士会によって異なるため、「全国一律で25万〜30万円」とは言えません。

出典:日本行政書士会連合会「各種手数料について」

都道府県行政書士会を通じて登録申請する

行政書士となる資格を有する人は、行政書士事務所を設けようとする都道府県行政書士会を通じて必要書類を提出し、日本行政書士会連合会の行政書士名簿への登録を受けます。

予約制、面談、事務所確認などの運用は都道府県行政書士会によって異なります。

登録完了までの期間は所属会によって異なる

登録申請から登録完了までの期間は、所属する都道府県行政書士会や申請内容によって異なります。

例えば東京都行政書士会の申請案内では、申請書の提出から登録日決定通知まで1か月〜1か月半程度とされています。ただし、これは東京都の案内であり、全国一律の期間ではありません。

開業時期を決めている場合は、所属予定会の最新案内を確認しましょう。

行政書士を目指すなら資格スクエアも選択肢

独学でも行政書士試験の合格は目指せますが、法律初学者は行政法・民法の理解と過去問・記述式の反復を続ける必要があります。資格スクエアは、森T講師による講義に加え、法令択一クエスト、AI「記述式」添削、質問機能を備えています。まず無料講義で講師との相性を確かめたい人にも検討しやすい講座です。

複数の講座の料金・教材・サポートを比べたい方は、行政書士の予備校・通信講座おすすめ比較もご覧ください。

オンラインで講義・問題演習を進められる

資格スクエアの行政書士講座では、講義視聴や問題演習をオンラインで進められます。

2027年度1年合格講座では、法令択一クエストで法令等科目21年分の肢別過去問に加え、行政書士法・戸籍法・住民基本台帳法の8年分の過去問を演習できると案内されています。問題は提供スケジュールに沿って順次追加されます。スマホやPCから利用でき、解答理由を確認しながら反復する用途に向いています。

通勤・休憩時間などに問題演習を進めたい人は、無料講義で講義の説明方法・受講画面・学習の進めやすさを確かめ、必要な教材やサポートがあるか比較するとよいでしょう。

講師歴20年以上の森Tが講義を担当

資格スクエアの行政書士講座では、森広志講師(森T)が講義を担当しています。

資格スクエア公式サイトでは講師歴20年以上と案内されており、法律用語や条文の考え方を具体例を交えながら説明する講義スタイルが特徴です。

講師との相性は人によって異なるため、無料講義などで理解しやすさを確認してから選びましょう。

森T講師の講義や質問サポートに関する受講生の評価は、資格スクエア行政書士講座の口コミ・評判で詳しく紹介しています。

AI「記述式」添削で答案練習ができる

2027年度1年合格講座では、平成27年度〜令和8年度の最大12年分・全36問についてAI「記述式」添削を利用できる予定で、使用回数は無制限と案内されています。令和8年度試験の問題は、2027年3月末までに追加予定です。ワンクリック質問機能(受講期間中最大100回)や、2026年11月〜2027年11月に月1回予定されるZoom相談会も学習を支える機能です。

出典:資格スクエア「2027年度 森Tの1年合格講座」

答案を繰り返し作成してフィードバックを確認できるため、記述式の答案練習に活用できます。

ただし、採点基準は資格スクエア独自のものであり、本試験の評価基準そのものではありません。

資格スクエアの行政書士講座の料金

合格目標 講座 料金(税込)
27年度 森Tの1年合格講座(テキストあり) 159,500円
27年度 森Tの1年合格講座(テキストなし) 148,500円
26年度 森Tの短期集中合格講座 69,300円
26年度 森Tの速習合格講座(テキストあり) 119,900円
26年度 森Tの速習合格講座(テキストなし) 108,900円
26年度 森Tの中上級合格講座(テキストあり) 169,400円
26年度 森Tの中上級合格講座(テキストなし) 159,500円
26年度 森Tの上級合格講座(テキストあり) 132,000円
26年度 森Tの上級合格講座(テキストなし) 123,200円

※表の2027年度合格目標は「森Tの1年合格講座」です。中上級・短期集中・速習・上級合格講座の掲載料金は2026年度合格目標のものです。2027年度受験を予定している方は、2026年度用の講座と視聴期限を混同しないようにしてください。販売状況やキャンペーンは変更される場合があります。

また、2027年度の「森Tの1年合格講座」には、一般教育訓練給付制度の厚生労働大臣指定講座として案内されているプランがあります。給付金の利用を希望する場合は、対象となる「教育給付金プラン」を選び、受給要件や割引・特典との併用条件を申込前に確認してください。

出典:資格スクエア「森Tの1年合格講座」/「森Tの中上級合格講座」/「行政書士講座一覧」

行政書士に関するQ&A

行政書士の年収は?

行政書士の収入は、勤務か独立か、専門分野、地域、顧客基盤、営業力などによって大きく変わります。

厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」では行政書士の職業ページに年収583.3万円という統計が掲載されています。ただし、これは関連する職業分類から算出された値であり、行政書士資格保有者だけの平均年収や、開業者の平均売上を表す数字ではありません。

出典:厚生労働省 job tag「行政書士」

資格取得だけで高収入になると考えず、取得後の働き方や専門分野まで含めて判断しましょう。

行政書士は食いっぱぐれない資格?

資格を持っているだけで仕事や収入が保証される資格ではありません。

独立する場合は、専門分野の選定、実務知識、顧客獲得、継続的な情報収集が必要です。

「食いっぱぐれないか」ではなく、行政書士資格をどのような顧客・業務に活かすのかを具体的に考えることが重要です。

社会人が働きながら合格を目指せる?

行政書士試験は年齢・学歴・国籍等に関係なく受験できるため、社会人でも挑戦できます。

仕事と両立する場合は、平日夜や休日に学習時間を確保し、行政法・民法・記述式・基礎知識科目を計画的に進めましょう。

行政書士の将来性はある?

行政手続のデジタル化やAIの普及により、定型的な書類作成・情報整理は今後さらに効率化される可能性があります。

一方で、許認可要件の整理、顧客事情の聞き取り、行政機関への確認など、案件ごとの判断が必要な業務もあります。

「将来性がある・ない」と一律に決めるのではなく、制度変更やデジタル化に対応しながら専門分野を持てるかが重要です。

行政書士試験は独学でも目指せる?

独学で行政書士試験に合格することは可能です。

必要な学習時間について公的機関が一律の目安を示しているわけではなく、法律知識、学習経験、使える時間によって必要な学習量は変わります。

自分で教材と学習計画を管理できる人は独学、法律初学者で講義から理解したい人や記述式対策に不安がある人は通信講座というように、自分に合う方法を選びましょう。

行政書士とは?まとめ

行政書士とは、許認可等の官公署提出書類や契約書などの作成、提出手続の代理を通じて、個人・企業の行政手続きを支える国家資格者です。建設業許可、在留資格関連、相続関連など仕事は多岐にわたりますが、登記・税務代理・紛争の代理交渉など他士業の独占業務には対応できません。

令和7年度の合格率は14.54%で、十分な対策が必要です。行政法・民法を中心に、記述式と基礎知識科目まで計画的に学習しましょう。

また、試験合格後に行政書士として業務を行うには行政書士名簿への登録が必要で、独立する場合は実務習得や集客も必要です。

試験だけでなく、取得後にどのような仕事をしたいのかまで考えたうえで行政書士を目指しましょう。

この記事について

本記事は、行政書士試験研究センター、日本行政書士会連合会などの公式情報をもとに、行政書士の業務範囲、試験制度、登録・開業、他資格との違いを整理しています。行政書士が対応できる業務は他士業法による制限を受ける場合があるため、具体的な手続については各制度・専門家の最新情報をご確認ください。

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