「行政書士は高卒でも受験できる?」「大学の法学部を出ていないと受けられない?」「未成年でも合格できる?」と疑問に思っていませんか。
結論から言うと、行政書士試験に受験資格の制限はありません。年齢・学歴・国籍・実務経験を問わず受験できます。中卒・高卒、大学生、社会人、未成年、外国籍の人でも、所定の申込手続を行えば受験できます。
ただし、「試験を受けられること」「行政書士となる資格を有すること」「行政書士として登録・業務できること」はそれぞれ別です。
本記事では、行政書士試験研究センターと日本行政書士会連合会の公表情報をもとに、属性別の受験可否、試験合格後の資格・登録要件、欠格事由、登録費用、2026年度試験の申込状況まで解説します。
行政書士の受験資格・登録の結論
- 受験資格:年齢・学歴・国籍・職歴の制限なし。未成年や高卒・中卒でも受験可能
- 試験合格後:欠格事由(未成年者など)に該当する間は行政書士となる資格を有しない
- 業務を始めるには:行政書士名簿への登録と都道府県行政書士会への入会が必要
- 登録にかかる費用:新規登録手数料25,000円+登録免許税30,000円+地域別の入会金・会費等
行政書士試験に受験資格はある?年齢・学歴・国籍の制限なし
行政書士試験には、年齢・学歴・国籍・職歴・実務経験による受験資格の制限はありません。宅建士と同様、法律の学習経験がなくても受験できます。
行政書士試験研究センターも、令和8年度試験案内で「年齢、学歴、国籍等に関係なく、どなたでも受験できます」と案内しています。
したがって、法学部卒業や行政書士事務所での勤務経験、他の国家資格の取得を申込みの条件とすることはありません。ただし、受験資格がないことと、試験の難易度が低いことは別です。
出典:一般財団法人 行政書士試験研究センター「令和8年度行政書士試験のご案内」
高卒・中卒・大学生・社会人・未成年・外国籍でも受験できる?
| 属性 | 受験可否 | 注意点 |
|---|---|---|
| 中卒・高卒 | 受験できる | 学歴要件はありません。 |
| 大学生・専門学生 | 受験できる | 在学中でも受験可能です。 |
| 社会人・主婦/主夫 | 受験できる | 職歴・実務経験は受験条件ではありません。 |
| 未成年者 | 受験できる | 合格も可能。ただし18歳未満は行政書士となる資格を有しません。 |
| 外国籍の人 | 受験できる | 国籍による受験制限なし。登録時は在留資格や必要書類等を別途確認します。 |
学歴がないからと受験を諦める必要はありません。ただし、試験を受けられることと、合格後に行政書士として登録・開業できることは別です。特に未成年者と外国籍の人は、以下の違いも確認してください。
未成年でも試験は受けられるが、未成年の間は行政書士となる資格を有しない
行政書士試験には年齢制限がないため、未成年者でも受験できます。実際、令和7年度試験では最年少13歳の合格者が出ています。
一方、行政書士法第2条の2では「未成年者」を欠格事由として定めています。
つまり、17歳以下でも試験に合格できますが、18歳に達するまでは行政書士となる資格を有さず、登録して業務を行うこともできません。なお、未成年時の試験合格そのものが取り消されるという意味ではありません。
たとえば17歳で合格した場合も、成年になった後、ほかの欠格事由・登録拒否事由に該当しなければ、登録申請へ進むことができます。受験できる年齢と行政書士として活動できる年齢は異なります。
合格者の年代別データや社会人になってからの挑戦については、行政書士の合格者の年齢層と40代・50代からの受験も参考にしてください。
出典:行政書士試験研究センター「令和7年度行政書士試験実施結果の概要」(最年少合格者)/日本行政書士会連合会「行政書士になるには」(欠格事由)
外国籍でも受験できる
行政書士試験には国籍制限がないため、外国籍の人も受験できます。
また、行政書士法第2条の2は「外国籍であること」そのものを欠格事由にしていません。したがって、国籍だけを理由に行政書士試験や資格取得の可能性を否定するのは誤りです。
ただし、試験に合格しただけで日本で就労できるわけではありません。登録時は、在留カード等の提出が求められる場合があります。実際に業務を行う場合の在留資格上の要件についても、必要に応じて関係機関へ確認しましょう。
「受験できる」「行政書士となる資格がある」「登録できる」は別
行政書士を目指す場合、①試験を受ける、②行政書士となる資格を有する、③行政書士名簿に登録して業務を行うという3段階を区別する必要があります。「試験合格=行政書士登録完了」ではありません。
| 段階 | 意味 | 主な条件 |
|---|---|---|
| ① 試験を受験できる | 行政書士試験へ申し込める | 年齢・学歴・国籍等の制限なし |
| ② 行政書士となる資格を有する | 行政書士法第2条の資格要件を満たす | 試験合格等+第2条の2の欠格事由に該当しないこと |
| ③ 行政書士として業務できる | 行政書士名簿へ登録されている | 登録申請・審査・行政書士会への入会等 |
試験合格だけでは「行政書士」として登録・活動したことにはなりません。合格後も登録手続をせずに、行政書士の名称を用いて業務を行うことはできません。
行政書士となる資格を有する人が行政書士として業務を行うには、日本行政書士会連合会が備える行政書士名簿への登録を受ける必要があります。
なお、合格証を紛失したときは合格証自体の再発行はできませんが、受験した都道府県の担当部署に「行政書士試験合格証明書」の交付を申請できます。出典:行政書士試験研究センター「試験・申込手続きについてのFAQ」
行政書士となる資格を得る方法
行政書士法第2条では、次のいずれかに該当する人が行政書士となる資格を有すると定めています。ただし、第2条の2の欠格事由に該当する人は除かれます。
- 行政書士試験に合格した人
- 弁護士となる資格を有する人
- 弁理士となる資格を有する人
- 公認会計士となる資格を有する人
- 税理士となる資格を有する人
- 公務員等として行政事務を一定期間担当した人
一般的なのは行政書士試験に合格するルート
行政書士を目指す一般的なルートは、行政書士試験に合格し、欠格事由や登録拒否事由に該当しないことを確認したうえで新規登録する方法です。
受験資格の制限がないため、学歴や職歴に関係なく挑戦できます。
他士業資格を有する人にも資格ルートがある
弁護士・弁理士・公認会計士・税理士となる資格を有する人にも、行政書士法第2条に基づく資格ルートがあります。これらは行政書士試験の「科目免除」ではなく、試験合格とは別の資格取得ルートです。
ただし、これらはいずれも別資格の資格要件を満たすことが前提です。
公務員の行政事務経験によるルートもある
国・地方公共団体の公務員のほか、法令で定める行政執行法人・特定地方独立行政法人の職員等として、行政事務またはこれに相当する事務を担当した期間が通算20年以上ある人にも、試験合格以外の資格取得ルートがあります。
高等学校卒業者その他学校教育法第90条に規定する人は、必要な担当期間が通算17年以上とされています。このルートの「高卒要件」は公務員経験者向けの特例であり、一般の行政書士試験に学歴制限があるという意味ではありません。
単に「公務員歴が17年ある」だけで自動的に資格が得られるわけではありません。担当してきた事務の内容や対象期間を証明する書類が必要となるため、在職・退職先に確認するとともに、登録予定の都道府県行政書士会へ相談しましょう。
出典:日本行政書士会連合会「行政書士になるには」(行政書士法第2条)
行政書士法の欠格事由|未成年者などは行政書士となる資格を有しない
行政書士法第2条の2では、一定の人について、行政書士法第2条の資格要件を満たしていても行政書士となる資格を有しないと定めています。
2026年10月時点の行政書士法第2条の2では、未成年者、破産して復権を得ない人、一定の刑や懲戒処分を受けた人などを欠格事由として定めています。主な内容は以下のとおりです。
- 未成年者
- 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない人
- 拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わった日等から3年を経過していない人
- 公務員として懲戒免職となり、処分の日から3年を経過していない人
- 行政書士登録の取消しや業務禁止等の処分を受け、一定期間を経過していない人
- 他士業で一定の懲戒処分等を受け、一定期間を経過していない人
- 税理士法に基づく一定の懲戒処分を受けるべきであった旨の決定を受け、一定期間を経過していない人
第2条の2には8つの欠格事由が定められています。たとえば刑罰・懲戒関係の制限は処分の種類や起算日によって異なるため、詳細は最新の条文を確認してください。なお、2025年6月から刑罰の名称は「拘禁刑」に改められており、旧来の「禁錮以上」の表記をそのまま使うのは適切ではありません。
欠格事由とは別に、登録申請時には登録拒否事由も確認される
行政書士法第6条の2第2項では、日本行政書士会連合会が登録申請を受けた場合、申請者が行政書士となる資格を有するかに加えて、一定の登録拒否事由に該当しないかを確認すると定めています。
法律には次の2つが登録拒否事由として定められています。受験できるかどうかとは別に、登録審査の段階で適格性が判断されます。
- 心身の故障により行政書士の業務を行うことができない人
- 行政書士の信用・品位を害するおそれがある人など、行政書士としての適格性を欠く人
第2条の2の「欠格事由」と第6条の2第2項の「登録拒否事由」は別の制度です。登録拒否に際しては、法律上、資格審査会の議決に基づくことが求められます。
元々の受験資格とはさらに別なので、「試験は受けられるが、行政書士となる資格・登録の段階では別の要件がある」と理解しておきましょう。
出典:日本行政書士会連合会「行政書士になるには」(行政書士法第6条の2第2項)
行政書士の新規登録に必要な手続・書類
行政書士となる資格を有する人が行政書士となるには、事務所を設けようとする都道府県の行政書士会を通じて必要書類を提出し、日本行政書士会連合会の行政書士名簿への登録を受けます。
登録を希望する都道府県の行政書士会を通じて申請します。日本行政書士会連合会が案内する主な必要書類は次のとおりです。
- 行政書士登録申請書
- 履歴書
- 誓約書
- 本籍地の記載された住民票の写し
- 身分証明書
- 顔写真
状況によって、戸籍抄本または在留カード等、公務員職歴証明書、雇用契約書、事務所の所在等を確認する書類なども必要です。行政書士試験合格者は、合格を証明する書類の提出・提示方法も所属予定会で確認してください。
住民票・身分証明書は提出日前3か月以内のもの、顔写真も提出日前3か月以内に撮影したものなど、書類ごとに条件が定められています。都道府県会ごとに追加書類や面談・事務所確認の運用が異なるため、登録申請前に所属予定会の案内を確認しましょう。
新規登録手数料は25,000円|そのほかの費用は都道府県会で異なる
日本行政書士会連合会の新規登録手数料は25,000円です。
さらに、登録免許税30,000円と、所属する都道府県行政書士会の入会金・会費などが必要です。新規登録手数料と登録免許税の合計は55,000円ですが、これが登録費用の総額ではありません。
入会金や会費は都道府県行政書士会によって異なるため、登録費用を全国一律の総額で断定するのは適切ではありません。
| 費用 | 金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 新規登録手数料 | 25,000円 | 日本行政書士会連合会の手数料 |
| 登録免許税 | 30,000円 | 登録免許税法に基づく税額 |
| 入会金・会費等 | 都道府県会による | 所属予定会の案内で確認 |
| 事務所・備品等 | 個別に異なる | 開業する場合の準備費用 |
登録免許税の根拠:e-Gov法令検索「登録免許税法」別表第一。入会金や納付方法は都道府県ごとに違うため、申請前に最新の費用一覧を取り寄せておくと安心です。
令和8年度行政書士試験の受験申込みは終了
令和8年度行政書士試験は、2026年11月8日(日)13時〜16時に実施されます。
令和8年度の申込受付は、郵送が2026年8月17日、インターネットが2026年8月24日に終了しています。
令和8年度試験の受験申込み受付は終了しています。
次年度(2027年度)以降に受験したい人は、2027年度の試験日・申込期間を2026年度の日程から推測して決めないようにしましょう。正式な案内が発表されたら、試験日、申込期間、必要書類・顔写真の規格などを確認してください。
出典:行政書士試験研究センター「令和8年度行政書士試験のご案内」(申込期間・試験日)
受験資格はないが、試験は簡単ではない
行政書士試験には受験資格の制限がありませんが、合格基準を満たすには十分な学習が必要です。法律初学者や、学生時代に法律を学んでいない社会人でも受験できますが、対策なしで合格できる試験ではありません。
令和7年度(2025年度)試験は受験者50,163人、合格者7,292人、合格率14.54%でした。
出典:行政書士試験研究センター「令和7年度行政書士試験実施結果の概要」
試験では、基礎法学・憲法・行政法・民法・商法などの法令等科目に加え、基礎知識科目、記述式への対策も必要です。
令和8年度の合格基準は原則として、法令等122点以上、基礎知識24点以上、総得点180点以上です。受験資格を確認したら、まず科目別の配点を把握して学習計画を立てましょう。
各科目の出題数や配点、合格に必要な得点は、行政書士試験の科目・配点・合格基準で詳しく解説しています。
独学に不安があるなら資格スクエアも選択肢
「受験資格を満たしている」と分かった後の次の課題は、どの教材と学習ペースで合格を目指すかです。行政書士試験は独学でも合格を目指せますが、法律初学者には行政法や民法の考え方、記述式対策の進め方が難しく感じられることもあります。
テキストと過去問の反復を自分で進められる人は独学、法律を講義で理解したい人や学習順序・記述式のフィードバックを重視する人は通信講座が候補です。特に初学者は、教材を契約する前に無料講義で説明の分かりやすさを確かめると判断しやすくなります。
独学と講座で迷っている方は、行政書士の予備校・通信講座おすすめ比較で料金や教材、サポート体制を比較できます。
資格スクエアの2027年度「森Tの1年合格講座」では、森T(森広志講師)の講義で法律の基礎を学べます。スマホやPCで利用できる「法令択一クエスト」は、法令等科目21年分・約3,000肢に加え、「行政書士法・戸籍法・住民基本台帳法」8年分の過去問に対応予定。問題はスケジュールに沿って順次追加されます。
AI「記述式」添削は平成27年度〜令和8年度の最大12年分・全36問に対応予定で、使用回数は無制限と案内されています。令和8年度の問題は2027年3月末までに追加予定です。採点基準は資格スクエア独自のもので、本試験の採点結果を保証する機能ではありません。
2027年度1年合格講座の通常価格は、テキストあり159,500円、テキストなし148,500円(税込)。一般教育訓練給付制度の指定講座ですが、利用を希望する場合は公式の「教育給付金プラン」など申込条件を確認しましょう。
出典:資格スクエア「2027年度 森Tの1年合格講座」(Web機能・価格)
行政書士の受験資格に関するよくある質問
行政書士試験に職歴や実務経験は必要ですか?
必要ありません。
行政書士試験は年齢・学歴・国籍等に関係なく受験でき、職歴や行政書士実務の経験も受験要件にはなっていません。
高卒・中卒でも行政書士になれますか?
はい。行政書士試験に学歴制限はないため、中卒・高卒でも受験・合格できます。法学部の卒業や大学での単位取得も必要ありません。
試験合格後、欠格事由・登録拒否事由に該当せず、行政書士名簿への登録を受ければ行政書士として業務を行えます。高卒・中卒という理由だけで登録できなくなるわけではありません。
未成年でも行政書士試験に合格できますか?
はい。18歳未満でも受験・合格できます。令和7年度試験には13歳の合格者もいました。
ただし、行政書士法第2条の2では未成年者を欠格事由としているため、18歳になるまでは行政書士となる資格を有しません。試験合格後に成年となり、ほかの要件も満たしてから登録を申請します。
行政書士試験に合格すればすぐ働けますか?
いいえ。行政書士名簿への登録が必要です。
所属予定の都道府県行政書士会を通じて登録申請し、行政書士会へ入会する必要があります。新規登録手数料25,000円、登録免許税30,000円のほか、地域別の入会金・会費等がかかります。
試験合格以外で行政書士になる方法はありますか?
あります。弁護士・弁理士・公認会計士・税理士となる資格を有する人や、一定期間行政事務を担当した公務員等に、試験合格以外の資格取得ルートがあります。ただし、いずれも欠格事由や登録審査の対象であり、無条件で登録できるわけではありません。
社労士試験と受験資格は違いますか?
異なります。
行政書士試験は年齢・学歴・国籍等に関係なく受験できますが、社会保険労務士試験には学歴・実務経験・所定の国家試験合格などの受験資格があります。行政書士試験の合格も、社労士試験の受験資格を満たす国家試験合格ルートの一つです。
それぞれの受験条件に加え、試験の難易度や仕事の違いも知りたい方は、行政書士と社労士の難易度比較をご覧ください。
出典:社会保険労務士試験オフィシャルサイト「受験資格について」
行政書士の受験資格まとめ
行政書士試験には、年齢・学歴・国籍等による受験資格の制限はありません。
ただし、受験できること・行政書士となる資格を有すること・行政書士名簿に登録されて業務できることは別です。未成年でも合格できますが、18歳未満は欠格事由に該当します。成年後も登録には所定の手続・費用が必要です。
まずは受験年度の試験案内を確認し、行政法・民法を中心とした学習を始めましょう。合格後は登録の必要書類・費用・事務所環境を確認し、専門業務を始められる状態に整えることが大切です。
この記事について
本記事は、一般財団法人行政書士試験研究センター、日本行政書士会連合会が公表する行政書士試験案内、行政書士法上の資格・欠格事由、新規登録手続などの公式情報をもとに、行政書士試験の受験資格と登録要件を整理しています。個別事情によって登録可否や必要書類が異なる場合があるため、実際に登録する際は所属予定の都道府県行政書士会へ確認してください。
資格スクエアMEDIAについて
資格スクエアMEDIAは、司法試験・予備試験・弁理士・行政書士など、法律資格・士業資格に関する試験情報、勉強法、予備校選び、通信講座比較を発信するメディアです。記事では、試験実施団体の公式情報、各講座の公開情報などをもとに、受験生が自分に合った学習方法を選べるように情報を整理しています。


