「行政書士と社労士、どちらが難易度高い?」
「合格率や勉強時間はどれくらい違う?」「どちらから取得すべき?」
行政書士と社会保険労務士(社労士)は、どちらも法律・制度の専門知識が必要な国家資格です。ただし、試験科目・合格基準・受験資格が異なるため、単純に合格率だけでは比べられません。
資格選びで迷っている人は、「どちらが難しいか」に加えて、学習期間と取得後に携わりたい仕事も判断材料にしましょう。
この記事では、2026年度社労士試験と2025年度行政書士試験の最新公表結果に加え、同じ年度の合格率、科目別の合格基準、勉強時間の目安を比較します。さらに、仕事内容・年収統計の読み方・ダブルライセンスの取得順まで解説します。
結論として、一般的な合格ハードルは社労士の方が高いと考えられます。2025年度の同一年比較では、行政書士の合格率が14.54%、社労士は5.5%。2026年度社労士試験では9.3%に上昇しましたが、科目ごとの基準点があることや学習範囲の広さが難関とされる理由です。一方、行政書士は40字程度の記述式と法令知識の正確な理解が難所になります。
行政書士と社労士の難易度・選び方を先に比較
- 合格率:2025年度は行政書士14.54%・社労士5.5%。社労士の2026年度は9.3%(行政書士2026年度は未実施)
- 勉強時間の目安:行政書士約600〜800時間、社労士約1,000〜1,100時間(いずれも指導校等が示す目安であり、公的な平均値ではない)
- 最大の難所:行政書士は法令理解・記述式・科目群別基準、社労士は広い出題範囲と科目別の基準点
- 受験資格:行政書士は制限なし、社労士は学歴・実務経験・資格等の要件あり
- 取得後の仕事:許認可・書類作成に関わりたいなら行政書士、人事労務・社会保険を専門にしたいなら社労士
※2026年度行政書士試験は11月8日に実施予定です。最新の結果どうしは年度が異なるため、公平な比較には2025年度の同一年データも使います。
行政書士と社労士はどちらが難しい?4つの観点から比較
難易度を比較するときは、①直近と同年度の合格率、②受験資格、③合格基準、④勉強時間を分けて見る必要があります。最初にそれぞれの試験の特徴を確認しましょう。
社労士試験の難易度
社労士試験の受験資格
社労士試験には受験資格があります。主に、学歴、実務経験、または厚生労働大臣が認めた国家試験合格などのいずれかで受験資格を満たす必要があります。
行政書士試験のように誰でも受験できる試験ではないため、受験前に社会保険労務士試験オフィシャルサイトで自分が要件を満たすか確認しましょう。
社労士試験の主な受験資格
- 大学・短期大学・高等専門学校(5年制)卒業、または4年制大学で所定の単位を修得
- 社労士・弁護士の補助業務など、対象となる実務経験が通算3年以上
- 行政書士試験など、受験資格として認められた国家試験への合格
出典:社会保険労務士試験オフィシャルサイト「受験資格について」
社労士試験の出題形式と特徴
社労士試験はマークシート方式の選択式(40点満点)と択一式(70点満点)で構成されます。総得点だけでなく科目ごとにも合格基準点が設定されるため、得意科目で高得点を取っても苦手科目が基準点を下回ると不合格になります。
2026年度の合格基準は、選択式が総得点25点以上、原則各科目3点以上(雇用保険法は2点以上)、択一式が総得点47点以上・各科目4点以上でした。
広範な法令知識を正確に暗記することが求められ、どの科目も手を抜けない点が難易度を高めている要因です。
社労士試験の合格率
社労士試験の合格率は、近年おおむね5〜9%台で推移しており、難関国家試験の一つです。
2026年度(第58回)試験の合格率は9.3%で、受験者42,510人のうち3,961人が合格しました。前年度の5.5%から上昇したものの、依然として合格者は受験者の約1割にとどまっています。
社労士試験に合格するまでの勉強時間の目安
社労士試験の必要勉強時間は、法律知識や実務経験、学習環境によって大きく変わります。労働・社会保険関係法令のほか、法改正や年金科目にも対応する必要があり、反復学習の負担が大きくなりやすい試験です。
受験指導校などでは約1,000〜1,100時間を学習時間の目安として紹介していますが、合格者を対象に測定した公的な平均値ではありません。たとえば1日3時間の学習では、1,000時間まで約11か月が必要です。
働きながら受験する場合は、週末にまとめて学ぶだけでなく、毎週すべての科目に触れる復習計画を立てると、苦手科目の基準点割れを防ぎやすくなります。
行政書士試験の難易度
行政書士試験の受験資格
行政書士試験には受験資格の制限がなく、年齢・学歴・経験を問わず誰でも受験できます。 これは他の国家資格にはあまり見られない大きな特徴です。
行政書士試験の受験条件や、合格後に行政書士として登録するための要件については、行政書士の受験資格と登録要件で詳しく解説しています。
行政書士試験の出題形式と特徴
5肢択一式・多肢選択式に加えて、40字程度の記述式問題も出題されます。基礎法学・憲法・行政法・民法・商法・基礎知識と出題範囲は広く、特に行政法・民法・記述式対策が重要です。
2026年度試験の合格基準は、法令等科目が122点以上(244点満点)、基礎知識科目が24点以上(56点満点)、かつ全体で180点以上(300点満点)です。
「広く浅く」で済むというより、配点の大きい分野を中心に、基礎知識科目の足切りにも注意しながら対策する必要があります。
行政書士試験は原則として総得点180点以上を含む合格基準を満たす「絶対評価」方式です。ただし、総得点だけでなく法令等科目・基礎知識科目それぞれの基準点も満たす必要があり、試験問題の難易度に応じて補正が行われる場合もあります。
出典:行政書士試験研究センター「令和8年度行政書士試験のご案内」
科目ごとの出題数や配点、記述式を含む合格基準は、行政書士試験の科目・配点・合格基準で詳しく紹介しています。
行政書士試験の合格率
行政書士試験の合格率は例年10〜15%程度で推移しており、直近で結果が公表されている2025年度(令和7年度)は14.54%でした。受験者50,163人のうち7,292人が合格しています。
行政書士試験は原則として公表された得点基準を満たせば合格となる方式で、受験者数の一定割合だけを合格させる相対評価ではありません。そのため、年度ごとの問題難度や受験者の得点分布によって合格率が変動します。
出典:行政書士試験研究センター「令和7年度行政書士試験実施結果の概要」
行政書士試験に合格するまでの勉強時間の目安
行政書士試験の勉強時間は、受験指導校などで約600〜800時間が一つの目安として紹介されています。法律初学者はそれ以上必要になる場合もあります。これは公的統計ではなく、合格に必要な時間を保証する値でもありません。1日2時間で600時間なら約10か月、800時間なら約13か月が目安です。
合格率を見ると、同じ2025年度では社労士が5.5%、行政書士が14.54%で、9.04ポイントの差がありました。社労士は受験資格を満たす人が対象であるにもかかわらず合格率が低い点も、難しさを考える材料になります。
一方で、行政書士試験には記述式があり、民法・行政法を中心とした法的思考力も問われます。
単純にどちらが上というより、社労士は労働・社会保険分野の正確な暗記と科目別基準点、行政書士は幅広い法令科目と記述式が難しさの中心です。
【結論】社労士の方が合格ハードルは高い
公表された合格率、科目別基準点、学習時間の目安から総合的に判断すると、一般的には社労士の方が合格ハードルが高い傾向にあります。最新公表値は社労士2026年度9.3%・行政書士2025年度14.54%ですが、年度を揃えた2025年度でも社労士5.5%・行政書士14.54%となっています。
ただし、受験資格の有無によって母集団が違い、記述式を含む行政書士と、選択式・択一式で科目ごとの基準点を課す社労士では、求められる能力も異なります。合格率の差が、そのまま個人ごとの合格可能性の差を意味するわけではありません。
行政書士試験の合格は社労士試験の受験資格として認められているため、まず行政書士に合格してから社労士を目指すルートも選択できます。
同じ「法律系国家資格」でも、行政書士と社労士の試験科目は大きく異なります。すでに民法・行政法に慣れている人と、労働法・年金制度の知識がある人では、学習開始時点の負担も変わります。
行政書士は「法律理解と記述式」、社労士は「暗記と精度」
行政書士試験は、法律初学者でも受験できる一方、行政法・民法の理解と40字程度の記述式答案の作成力が求められます。
一方、社労士試験は労働・社会保険に関する法令を深く正確に暗記することが求められ、全科目で基準点を超えなければならないという独特の難しさがあります。
どちらが「向いているか」は、学習スタイルや業務目標によって変わります。どちらも地道な努力が必要なことに変わりはありません。
行政書士も社労士も合格に裏ワザはありません。地道に努力あるのみです。
行政書士と社労士の比較一覧表
比較表は受験前の判断材料を横並びにしたものです。まずは年度を揃えた合格率を確認しましょう。
| 年度 | 行政書士 合格率 | 社労士 合格率 |
|---|---|---|
| 2024年度 | 12.90% | 6.9% |
| 2025年度 | 14.54% | 5.5% |
| 2026年度 | 未実施(試験予定:11月8日) | 9.3% |
同じ年度で比べられる2024年度・2025年度ともに、社労士の合格率が低い結果でした。2026年度社労士は前年より合格率が上昇していますが、特定の1年だけで結論を出さず、受験資格や合格基準も合わせて判断することが大切です。
出典:行政書士試験研究センター 2025年度結果/厚生労働省 2025年度社労士試験/厚生労働省 2026年度社労士試験
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項目 |
行政書士 |
社労士 |
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仕事内容 |
官公署への書類作成・申請手続き、権利義務・事実証明に関する書類の作成 |
労働・社会保険手続き、人事労務相談、就業規則などの作成 |
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キャリア |
独立開業・事務所勤務・企業の法務関連業務など |
独立開業・事務所勤務・企業の人事労務部門など |
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job tag掲載の賃金統計(年収) |
583.3万円(関連職業分類の2025年賃金統計) |
1,134.6万円(関連職業分類の2025年賃金統計) |
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合格率 |
14.54%(2025年度/受験者50,163人・合格者7,292人) |
9.3%(2026年度/受験者42,510人・合格者3,961人) |
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必要な勉強時間の目安 |
約600〜800時間 |
約1,000〜1,100時間 |
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受験資格 |
なし(誰でも受験可能) |
学歴・実務経験・国家試験合格などの要件あり |
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試験の特徴 |
択一式・多肢選択式・記述式。総合点と科目群別に基準あり |
択一式・選択式。総合点に加え各科目の基準点あり |
※年収統計の注意:job tagの掲載額は対応する職業分類の統計値であり、行政書士・社労士として働く資格保有者だけの平均年収ではありません。独立開業者の事業所得も含めた比較ではないため、両数値の差を資格による収入差として解釈しないでください。勉強時間も公的平均ではなく、受験対策上の目安です。
出典:行政書士試験研究センター「令和7年度行政書士試験実施結果の概要」
出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「行政書士」
出典:厚生労働省「第58回(令和8年度)社会保険労務士試験の合格者発表」
出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「社会保険労務士」
行政書士と社労士はどちらも専門性を活かせる国家資格
なお、試験合格と、資格者として登録して業務を行うことは別です。社労士は試験合格後、原則として2年以上の所定の実務経験、または事務指定講習の修了などの登録要件を満たし、社労士名簿への登録が必要です。行政書士も業務を行うには所定の登録手続きが必要です。
出典:全国社会保険労務士会連合会「社労士を目指す」/行政書士試験研究センター「行政書士試験のご案内」
行政書士と社労士は、それぞれ異なる専門分野で企業や個人を支える国家資格です。
司法試験や司法書士試験と比べると受験しやすい面はありますが、行政書士も社労士も十分な学習時間と継続的な対策が必要な国家資格です。
また、法改正や制度変更に対応しながら、企業や個人の手続きを支援する専門家として、一定のニーズが見込まれます。ただし、資格を取るだけで仕事や収入が保証されるわけではありません。
行政書士と社労士の仕事内容の違い
両資格は取り扱う専門分野がまったく異なります。仕事内容を理解した上で、自分のキャリア目標に合った資格を選ぶことが重要です。
社労士の主な仕事内容
社会保険労務士は、企業の人事労務を専門的にサポートする専門家です。主な業務は3つに分類されます。
1号業務(申請書類の作成・提出代行・事務代理)
雇用保険・健康保険・年金などの社会保険に関する申請書類の作成、行政機関への提出代行、事務代理を行います。社労士の独占業務にあたります。
2号業務(就業規則など帳簿書類の作成)
就業規則や賃金規程、労働者名簿など、企業が法令を遵守するために必要な重要帳簿書類の作成を担います。こちらも社労士の独占業務です。
3号業務(労務に関するコンサルティング)
人事・労務に関する課題解決のための専門的なアドバイスや指導を行います。独占業務ではなく、コンサルタントや社内人事担当者も担える領域です。
行政書士の主な仕事内容
行政書士は、行政手続きに関する幅広い知識を持つ専門家です。官公署に提出する書類や、権利義務・事実証明に関する書類の作成、申請手続きの代理などを中心に活躍します。
主な業務や資格取得後の働き方を詳しく知りたい方は、行政書士とは?仕事内容・試験・登録方法も参考にしてください。
官公署への申請書類・各種書類の作成
飲食店営業許可や建設業許可など、行政機関への申請に必要な書類を専門知識をもとに作成します。ミスが許されない複雑な書類を代行することで、依頼人の負担を軽減します。
権利義務・事実証明に関する書類の作成
契約書・示談書・遺産分割協議書・定款など、権利義務に関する書類や、車庫証明・財産目録など事実証明に関する書類も作成します。
許認可申請手続きの代行
事業を行うために必要な各種許認可の申請手続きを代行します。専門知識が求められるだけでなく、書類の規則も複雑なため、代行によるミス防止が大きなメリットです。
書類作成に関する相談対応
「どんな手続きが必要か」「どの書類を用意すれば良いか」といった相談に専門的な立場からアドバイスします。
行政書士と社労士のキャリアパスの違い
社労士は就職・転職でも強みを発揮しやすい
社労士資格は、企業の人事・労務部門、社会保険手続き、給与計算、就業規則整備などと関係が深いため、就職・転職で評価される場面があります。
ただし、資格だけで採用が決まるわけではなく、実務経験や応募先の業務内容との相性も重要です。
独立開業後は、顧問契約を獲得できれば継続収入につながる可能性があります。
行政書士は独立開業や事務所勤務などの選択肢がある
行政書士は、独立開業のほか、行政書士事務所に所属する働き方もあります。独立開業した場合は許認可申請など単発の案件を扱うことも多く、開業直後から安定収入を得られるとは限りません。
収入は専門分野、地域、営業力、紹介ルート、他士業との連携によって大きく変わります。
安定的に受注するには、建設業許可、相続、外国人関連業務などの専門分野を定めたり、Web集客や紹介体制を整えたりする工夫が必要です。
行政書士と社労士の年収はどちらが高い?統計の注意点
job tagには両職業の年収統計が掲載されていますが、使用されているのは賃金構造基本統計調査を加工した関連する職業分類のデータです。資格保有者のみを追跡した調査ではなく、特に独立開業した場合の売上・経費・所得を比較した数字ではありません。
社労士の平均年収
厚生労働省の職業情報提供サイトjob tagでは、社会保険労務士の職業ページの年収統計が1,134.6万円(令和7年賃金構造基本統計調査を加工した全国値)と表示されています。
ただし、この統計データは「社会保険労務士」等の職業分類に対応する数値であり、資格保有者全員の平均収入や開業社労士の平均売上を示すものではありません。
勤務先での人事労務業務、社労士事務所勤務、独立開業では収入の仕組みが異なります。独立の場合は顧問契約による売上があっても、そこから事業経費を差し引く必要があるため、勤務者の給与年収と同じ指標では比較できません。
行政書士の平均年収
厚生労働省の職業情報提供サイトjob tagでは、行政書士の職業ページの年収統計が583.3万円(令和7年賃金構造基本統計調査を加工した全国値)と表示されています。
ただし、これは「他に分類されない法務・経営・文化芸術等の専門的職業」等に対応する統計値であり、行政書士資格保有者だけの平均年収ではありません。
行政書士も独立開業・事務所勤務など働き方が異なり、専門分野、案件単価、継続依頼の有無、営業力によって収入は変わります。「社労士の方が年収が約550万円高い」といった読み方は、この統計からはできません。資格の選択では、年収統計の差よりも、希望する業務・就業形態を優先して検討しましょう。
行政書士と社労士、両方取得するメリットと相乗効果
行政書士が社労士の受験資格になるケースもある
社労士試験には受験資格があり、学歴要件を満たさない場合でも、一定の実務経験や厚生労働大臣が認めた国家試験の合格などで受験資格を満たせる場合があります。
社労士試験の受験資格には「行政書士となる資格を有する者」が含まれています。そのため行政書士試験に合格していれば、原則として行政書士登録を済ませなくても社労士試験の受験資格を満たせます。受験申込みでは所定の証明書類が必要です。
学歴要件を満たさず、他の要件にも該当しない人にとっては、行政書士試験合格を経由して社労士試験を目指すルートがあります。ただし、すでに社労士の受験資格があり労務分野で働きたいなら、行政書士の取得を先行させる必要はありません。
出典:社会保険労務士法第8条/社会保険労務士試験オフィシャルサイト「受験資格」
行政書士と社労士どっちが難しい?…言えることは、行政書士の勉強が頑張れた人は社労士も頑張れます。社労士が頑張れた人は行政書士も頑張れる。このダブルライセンスは非常に魅力的です。
ダブルライセンスで得られるメリット
対応できる業務の幅が大きく広がる
行政書士として許認可申請を担い、社労士として社会保険・労務管理を担うことで、企業が必要とする多くの手続きを一元的に引き受けられます。
他事務所との差別化・信頼性の向上につながる
行政手続きと労務手続きを一つの窓口で相談できることは、依頼人の利便性につながります。両分野を適法に取り扱える体制を整えていることが、他事務所との差別化につながる場合があります。実務の専門性を伴ってはじめて強みになる点も押さえましょう。
互いの弱点を補い合える相乗効果がある
行政書士の許認可業務と社労士の労務・社会保険分野を組み合わせれば、法人顧客の複数の手続きを支援できる場合があります。社労士業務では顧問契約を結ぶ選択肢もありますが、二資格を持つだけで顧客や安定収入が増えるわけではありません。実務経験や集客、登録要件の確認が必要です。
ダブルライセンスを目指すなら、どちらを先に取得すべき?
| 状況 | 優先したい資格 |
|---|---|
| 社労士の受験資格がなく、行政手続きにも関心がある | 行政書士→社労士 |
| 社労士の受験資格があり、人事・労務の仕事をしたい | 社労士を先に検討 |
| 許認可・相続・書類作成などを主な業務にしたい | 行政書士を先に検討 |
| 両資格の受験資格を満たし、分野も迷っている | 仕事の方向性と確保できる学習時間から選ぶ |
行政書士と社労士は同じ年度に受験することもできますが、学習する法律分野の重複が大きいわけではありません。短期間で両方取得する前提にせず、まず目標とする仕事内容に近い方を選びましょう。
社労士に向いている人の特徴
まとまった勉強時間(1,000時間以上)を確保できる人
社労士試験は広範囲な法令の正確な暗記が求められ、学習時間の目安として約1,000〜1,100時間が紹介されています。ただし、学習経験によって必要な時間は異なります。
1年〜2年という長期間にわたり、毎日コツコツと学習を継続できる自己管理能力がある人に向いています。
企業の人事・労務管理に携わりたい人
採用から退職までの労働環境づくりや、社会保険の仕組みに興味がある人に最適です。
働く人の環境を良くし、企業の成長を人事・労務の面から裏方として支えたいという熱意がある人にぴったりです。
就職・転職でも資格を活かしたい人
社労士の専門知識は、人事・労務・総務部門の業務と関係が深く、就職・転職でアピール材料になる可能性があります。
ただし、資格だけで採用が決まるわけではないため、実務経験、応募先の業務内容、給与計算・社会保険手続きなどの経験とあわせて示すことが大切です。
安定収入を重視する人
独立開業した場合、企業と労務顧問契約を結べれば毎月の継続報酬につながることがあります。ただし、顧問先の獲得や維持には営業力と継続したサービス提供が必要です。
継続的な企業支援に取り組みたい人は、社労士業務の顧問契約というビジネスモデルも検討材料になります。
行政書士に向いている人の特徴
幅広く法律の知識を身につけたい人
行政書士試験では、憲法、行政法、民法、商法、基礎法学など、生活やビジネスに関わる法律を幅広く学びます。
ただし、単に浅く触れるだけで合格できる試験ではなく、行政法・民法・記述式では正確な理解も求められます。
幅広い法律分野に関心があり、行政手続きや書類作成に関わる知識を身につけたい人に向いています。
行政や許認可手続きに興味がある人
飲食店や建設業などを始める際の複雑な書類作成や、役所への手続きを代行するのが主な仕事です。
ルールに沿って正確に書類をまとめ、誰かの新しい事業やスタートを後押しすることにやりがいを感じる人に向いています。
まず資格取得の第一歩として法律学習を始めたい人
受験資格に年齢や学歴などの制限がなく、誰でも挑戦できるのが行政書士試験の特徴です。
法律の学習経験がない人でも挑戦しやすい一方で、合格には継続的な学習が必要です。
法律系資格の第一歩として検討しやすい資格といえるでしょう。
将来的に他の法律資格へのステップアップを考えている人
行政書士試験で身につく民法などの法律知識は司法書士など他の法律資格の学習にも役立ちます。社労士試験とは直接の共通科目が少ないものの、法令を読み解く力や学習習慣は活かせます。
行政書士として働くことに関心がある人や、将来のダブルライセンスを視野に入れる人にとって、受験資格の制限なく法律学習を始められる点は魅力です。
行政書士の取得を目指すなら資格スクエアがおすすめ
資格スクエアの行政書士講座の特徴と料金
資格スクエアの行政書士講座は、スマホやPCで講義視聴・問題演習を進められるオンライン講座です。森T講師によるわかりやすい講義を中心に、以下の機能がそろっています。
資格スクエアの2027年度1年合格講座の学習機能
- 法令択一クエスト:法令等科目21年分・約3,000肢と、行政書士法・戸籍法・住民基本台帳法8年分の肢別過去問に対応(順次提供)
- AI「記述式」添削:最大12年分・全36問に対応予定、使用回数無制限
- ワンクリック質問機能:受講期間中に最大100回質問可能
- 月1回のZoom相談会:2026年11月〜2027年11月に計13回実施予定
講義のわかりやすさやサポート体制について、受講者の声も含めて比較したい方は、資格スクエア行政書士講座の口コミ・評判も確認してみてください。
2026年10月時点では2027年度合格を目指す「森Tの1年合格講座」が案内されています。2026年度の試験は11月8日と直前のため、これから学習を始める初学者は2027年度の講座を軸に検討するとよいでしょう。2026年度向けの速習・短期集中講座は、年度と学習状況を確認して選んでください。
学習期間やテキストの有無に合わせて自分に合ったプランを選べるのが魅力で、各コースの料金は以下の通りです。
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コース |
料金(税込) |
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2027年度 森Tの1年合格講座(テキストあり) |
159,500円 |
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2027年度 森Tの1年合格講座(テキストなし) |
148,500円 |
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2026年度 森Tの速習合格講座(テキストあり) |
119,900円 |
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2026年度 森Tの速習合格講座(テキストなし) |
108,900円 |
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2026年度 森Tの短期集中合格講座 |
69,300円 |
2027年度の1年合格講座は、専用の教育給付金プラン(テキストあり)が一般教育訓練給付制度の対象です。通常のテキストなしプランや他コースまで対象とは限りません。受給要件や修了基準を確認し、申込時に対象プランを選びましょう。
スマホ完結で働きながら合格を目指せる
資格スクエアの行政書士講座では、講義視聴や問題演習をオンラインで進められます。
法令択一クエストなどを使えば、通勤・昼休み・スキマ時間に行政書士試験の演習を進めやすい点が特徴です。
資格スクエアが向いている人の特徴
資格スクエアの行政書士講座は、スマホでスキマ時間を活用しながら、講義・問題演習・記述式対策を進めたい人に向いています。
森T講義で基礎を学び、AI「記述式」添削や質問機能を使いながら行政書士試験対策を進めたい人は、検討しやすい講座です。
資格スクエアはこんな人におすすめ
- 仕事と両立しながら勉強したい社会人
- 法律初学者で、わかりやすい講義を重視する人
- 記述式対策をAI「記述式」添削で繰り返し練習したい人
- スマホでスキマ時間を活用して学習を進めたい人
行政書士と社労士に関するよくある質問(FAQ)
ダブルライセンスを目指す場合、どちらから受験するのがおすすめですか?
学歴や実務経験などで社労士試験の受験資格を満たしていない人は、行政書士から受験するルートも選択肢になります。
行政書士試験は受験資格の制限がなく、行政書士試験に合格すれば社労士試験の受験資格を満たします。行政書士登録を済ませる必要はありません。
一方で、すでに社労士試験の受験資格を満たしており、人事・労務分野で働きたい人は、最初から社労士を目指す選択肢もあります。
転職活動で有利になりやすいのはどちらの資格ですか?
どちらが転職で有利かは、応募する職種によって異なります。人事・労務・社会保険手続きの職種では社労士の知識が直接生かしやすい一方、許認可や行政手続きに関わる仕事では行政書士の知識が関連します。
社労士は給与計算・社会保険手続き・就業規則など企業の人事労務と関係の深い分野を学びます。そのため当該職種への応募では強みになり得ますが、資格単独で採用が保証されるものではありません。
行政書士は許認可・契約関連の書類を扱う業務と相性がよく、独立開業や事務所勤務を検討する人にとって選択肢になります。資格が評価されるかは仕事内容と実務経験によって変わります。
働きながら独学で合格することは可能ですか?
独学での合格も不可能ではありませんが、徹底した時間の確保と長期的な継続が必要になります。
一般的な学習時間の目安を行政書士600〜800時間、社労士1,000〜1,100時間とすると、1日2〜3時間の学習で行政書士は約7か月〜1年1か月、社労士は約11か月〜1年6か月かかる計算です。法律の学習経験や学習ペースによって必要な期間は異なります。
特に社労士は広範囲かつ正確な暗記が求められ、法改正への対応も重要です。
独学で合格を目指すことも可能ですが、学習計画の作成、法改正対応、問題演習の管理に不安がある人は、通信講座の活用も検討するとよいでしょう。
行政書士と社労士は同じ年に両方受験できる?
行政書士試験と社労士試験は通常、異なる時期に実施されるため、受験資格を満たせば同じ年に受験することは可能です。ただし、学習内容の重複は限定的で、両方の科目を並行して仕上げるには十分な学習時間が必要になります。まずは合格を優先する資格を決め、学習計画を立てましょう。
行政書士と社労士の難易度比較まとめ
行政書士と社労士は、合格率・勉強時間・合格基準の面で違いがあります。一般的な合格ハードルは社労士の方が高い傾向ですが、2025年度の同一年比較では行政書士14.54%・社労士5.5%、最新の2026年度社労士試験は9.3%でした。得意分野や受験資格によって実際の難しさは変わります。
許認可・行政手続きに関心があるなら行政書士、人事労務・社会保険の分野で働きたいなら社労士が第一候補です。ダブルライセンスを考える人は、社労士の受験資格の有無と、取得後に扱いたい業務から順番を決めましょう。年収についてはjob tagの職業分類統計だけで優劣を判断できません。
行政書士を目指す人で、オンラインで講義・問題演習・記述式対策を進めたい場合は、資格スクエアの行政書士講座も選択肢になります。
この記事について
本記事は、一般財団法人行政書士試験研究センター、厚生労働省、社会保険労務士試験オフィシャルサイト、職業情報提供サイトjob tagなどの公表情報をもとに、行政書士と社会保険労務士の難易度、試験制度、仕事内容、キャリアの違いを整理しています。試験制度や公表情報は変更される可能性があるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。
資格スクエアMEDIAについて
資格スクエアMEDIAは、司法試験・予備試験・弁理士・行政書士などの法律資格・士業資格に関する試験制度、勉強法、講座選びの情報を発信しています。公式情報や公表データをもとに、受験生が正確に制度を理解できるように解説しています。


